今作『僕の頭の中のぷっちょ2:創作と統合失調症と。』は、統合失調症という病と向き合いながら創作を続ける著者の日常を、ユーモアと率直さで綴った一冊です。
著者は統合失調症を20年以上抱え、幻聴や妄想に悩まされながらも、執筆をライフワークにしています。
本作の魅力は、症状の多様さを強調する点。
統合失調症は「100人に1人」の割合で発症する身近な病気ですが、「100人いれば100通り」の症状があると繰り返し語り、誰もが望んでそうなったわけではない現実を優しく伝えます。
印象的なエピソードとして、疾病初期の頃、症状を周囲に伝えるのが怖くて「大統領の陰謀」などと冗談めかしてごまかしていた話。
パソコン作業中にペットの猫のケンちゃんがオッサン声で「死にてーよ」と呟く幻聴を聞き、「ケンちゃん死にたいんだなあ」と本気で思ってしまう場面は、笑いを誘いつつも、病気のリアルな恐怖と恥ずかしさを浮き彫りにします。
そんな中、姉が「それはぷっちょだよ、頭の中だけだから考えるだけ無駄!」と一刀両断し、幻聴を「ぷっちょ」と名付けることで軽やかに受け流すようになる過程が心温まります。
創作面では、陰性症状で意欲が落ちやすい中、執筆が毎日の活力になる様子が描かれます。
作業所での気づき(お金のために働くのは当たり前)や、症状の再燃の苦しさも正直に語りながら、信頼する人との関係が支えになる点を強調。
Amazonレビューでは「統合失調症は個性」「創作と病気の相性が良いと感じた」と高評価で、周辺者からも共感を集めています。
この本は、精神疾患を「個性」として捉え直す視点を提供します。
暗いイメージを覆す明るさと、病と共に生きる強さを教えてくれる一冊。
統合失調症を知らない人にも、偏見なく読めるよう工夫された文章で、家族や友人、周囲の人たちにこそおすすめです。
Kindle電子書籍で気軽に手に取り、著者の「誰一人として望んでそうなったのではない」というメッセージを感じてみてください。
病は苦しいけれど、創作や支えがあれば、少しずつ前を向ける——そんな希望が詰まった作品です。
逢坂 純著『僕の頭の中のぷっちょ2:創作と統合失調と。』


