小説『僕はおまえが、すきゾ!』

統合失調症を題材に小説を書こうと思っています。

小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はまだ見ぬ君が、すきゾ!

心にポッカリ穴が空いた気分だ。何だろう、この気持ちは。何だろう。 僕はその日、デイケアに来ていた。デイケアに来たのは、本当に久しぶりだった。 看護士の佐々木さんはいつも調子で、僕にまとわりついて来た。この人もかなり鬱陶しい存在だった。 「ね...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は公園が、すきゾ!

そのまた数日後、僕は油科さんからの呼び出しで、あの日以来また会う事になった。油科さんは、チャコールのワンピースを着て来ていた。まるで、医療白衣のような襟元だったり柄だったりした。油科さんとは、公園で待ち合わせた。油科さんは僕が約束時間10分...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はロンドンが、すきゾ!

数日後、優作は映画館のアルバイトの日だった。それは、古賀さんと顔を合わす事でもあった。 古賀さんのアルバイトが終わるのは、優作のバイト上がりの一時間後だった。 優作は休憩室で、古賀さんを待ち伏せしていた。休憩室は、8畳程のスペースに、机には...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は夜更かしが、すきゾ!

古賀さんは、油科さんのアパートに出向いて行った。呼び鈴を鳴らすと、油科さんはすぐに顔を出した。油科さんのお兄さんはもう帰っていて、アパートには油科さん一人だった。 油科さんは古賀さんの顔を見ると、何か思い詰めた表情で、古賀さんを迎えた。 油...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はシャイニングが、すきゾ!

僕と優作は、スティーブン・キング原作のシャイニングを観ていた。テレビ画面の中では、ジャック・ニコルソンが斧を持って、逃げ惑う妻を追っていた。 そこには、家族を手に掛けようとする悲哀さは全く無かった。 優作は、ボーっと眠いような顔をして、画面...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は看護師がすきゾ!

僕は久しぶりに、デイケアに来ていた。 佐々木さんはいつも通り、優しく笑顔で迎えてくれた。 「彼女とはどうなってるの?」 おせっかいな女だ。僕が油科さんとどうなろうと佐々木さんの知った事ではない筈。 僕は思った。僕は女運が悪いのだ。 「告白は...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はひとの不幸が、すきゾ!

油科さんは泣いていた。僕はそれを黙って見つめていた。油科さんのお兄さんは、油科さんを責める事なく、僕と同じように、油科さんの泣き顔を見ていた。 「どうして、そんな嘘をついたんだ」 油科さんのお兄さんが言った。 油科さんは只泣くばかりで、お兄...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は誤報が、すきゾ!

僕が油科さんの家に着いたのは、それから一時間後の事だった。彼女のアパート、こんなに遠かったかな?自転車のペダルは、思いのほか、重く感じた。 僕は駐輪場に、自転車を停めて、彼女の住む二階の角部屋へと向かった。 ピンポーン、一度ドアチャイムを鳴...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は電話が、すきゾ!

電話のコール音は数十回、鳴り続けた。僕は携帯を持つ手をブランと下に落とした。その時、電話が繋がった。 「もしもし、もしもし」 その声は男の声だった 宏人は、咄嗟に電話を切ってしまった。宏人 赤い丸ボタンを何度も何度も、タップして電 話を切っ...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はボディが、すきゾ!

「そうかー、お前達、付き合ってるのかー!」 優作が喜んで言った。 「何だよ、何だよ、一言も俺に言わないでよー」 フッと優しい目になった優作は僕をジッと細い目で見つめていた。 古賀さんが言った。彼女は今、どうしてるの?と。古賀さんは、僕が彼女...
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