スポンサーリンク
スポンサーリンク

逢坂 純著障害文学連作短編小説・詩歌集『還り道』夢と現実が溶け合う、静かな希望の道。幻と現実の狭間で、見つけた優しい還り道。

『還り道』は、統合失調症を抱える僕が2022年にKindleで出版した連作短編小説・詩歌集です。
 
56編(一部で57編と表現される)の短い物語が連なり、一つの大きな「人生の還り道」を描き出します。
 
Amazonレビューでも「著者の心の奥底まで統合失調症の日常がリアルに描かれている」「不思議で非日常な世界観が多い」と高評価を受け、闘病中の内面を深く覗き見るような一冊として支持されています。
 
物語は、詩的なタイトルで綴られます。
 
例えば「ドーベルマン」では、子供時代の恐怖体験を黒い番犬の襲撃として幻想的に表現。
 
「海の底」では、海に沈む苦しみからマーメイドの幻に救われるシーンが、息苦しい症状のメタファーとして心に残ります。
 
「星の王子様」や「天使と嫉妬」では、嫉妬やアイデンティティの危機を優しく掘り下げ、「初めから彼など存在しなかった」では、幻の友人との対話を通じて孤独と自己実現を探求。
 
夢と現実が混ざり合う「夢で見るいつもの街」や「まぼろし」では、繰り返す幻覚の不思議なリアルさを描き、読む者に「どちらが本当の世界か?」と問いかけます。
 
後半では「受容」「明け方の幸福」「ゴールテープ」などで、死海に浮かぶ浮遊感や眠りから覚める幸福を表現。
 
病気を「受け入れる」過程で得る平穏や、涙の美しさを描き、希望の光を差し込みます。
 
最後の「同じ月を見ている」では、遠くの大切な人と繋がる優しい締めくくりが、読後感を温かくしてくれます。
 
この本の魅力は、統合失調症の症状(幻聴・妄想・陰性症状)を重く描きつつ、ユーモアや詩的な美しさで包み込んでいる点です。
 
闘病中の混沌を「真実」として綴り、共感を呼ぶ作品です。
 
健常者の皆さんにとっては、精神疾患を持つ人の「見えない世界」を優しく覗く窓口に。
 
家族や友人が読めば、理解が深まり、支えになるはずです。
 
著者自身が「共感こそ最大の障害受容」と語るように、この物語は「一人じゃない」と思わせてくれます。

逢坂 純著『還り道

タイトルとURLをコピーしました