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障害文学小説『アンカーにバトンは渡された 続・リカバリー』バトンを渡して、一人じゃないリカバリー。

『アンカーにバトンは渡された 続・リカバリー』(逢坂 純・著、2023年独立出版)は、統合失調症を抱える青年がピアサポーターとして福祉の現場で奮闘する、心温まるフィクションです。

前作『リカバリー』の続編で、症状の苦しみを乗り越えながら、人と人とのつながりを描いた物語です。

物語は、中学時代の体育祭リレーでバトンを落としたトラウマの夢から始まります。

あの「バトンが見つからない」焦燥感——症状の混沌を象徴するようで、読んでいて胸がざわつきます。

そんな嬉野は、精神保健相談事業所「ハーモニカ」でピアサポーターとして働き始めます。

利用者・戸田光代さん(統合失調症当事者)の訪問支援が主な仕事ですが、そこで出会う娘の遥佳に心惹かれていきます。

遥佳はヤングケアラーで、定時制高校に通いながら母の世話をしています。

嬉野は思考伝播(自分の想いが相手に伝わる感覚)でドキドキしつつ、遥佳を通じて光代をサポートします。

しかし、遥佳が「母には私が必要」と契約解消を申し出るクライマックスで、嬉野の無力感が爆発しますが、先輩・睦の「バトンは渡したからな」という言葉が、仲間からのエールとして響きます。

嬉野は「わき役」として喜びを見出し、責任を果たす喜びを知ります。

精神疾患に馴染みのない方でも、人間関係の温かさと成長の物語として楽しめます。

「福祉の現場って、こんなに人間くさいんだ」と実感できる一冊。

読むと、心が少し軽くなるはずです。

この本は「リカバリーは一人じゃない」を優しく教えてくれます。

ぜひ、手に取ってみてください。

逢坂 純著『アンカーにバトンは渡された 続・リカバリー』

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