統合失調症を抱えながら執筆を続ける当事者作家が、自身の「黒歴史」を赤裸々に振り返ったエッセイ集。
2024年の小説投稿サイト「カクヨム」コンテスト「黒歴史放出祭」への投稿を大幅に加筆修正し、幼少期から現在に至る失敗談や恥ずかしい記憶を、ユーモアと自嘲を交えながら綴っています。
小学生時代のエピソードは特に微笑ましい。
「名前の由来」発表でクラス全員が「みちびき不動」と連呼し、自分もつられて言ってしまった話。
風呂上りに羽毛布団へ「ビックバン!!」とダイブしたら、母が寝ていて大目玉を食らった話。
子供らしい無邪気さと、思春期の繊細さが交錯する失敗譚は、誰もが「あるある」と頷くはずです。
中高生時代は青春の葛藤が色濃く、女性アイドルに憧れて「輝ゆり子」と名乗りたくなる気持ちを語り、当時のジェンダー観の偏見に今気づく過程を描きます。
青年期になると統合失調症の発症が影を落とし、幻聴に苛まれ、引きこもり生活を送った頃の苦しみ、煙草の不始末で火事になりかけた事件など、深刻なエピソードも登場します。
家族の支え—母の癌闘病、姉の的確な指摘、父の畑仕事の勧め—が、病気を「共生」する日々の原動力になっている様子も丁寧に描かれています。
作者は「黒歴史は消せないが、振り返ることで成長の糧になる」と言い、WRAP(ウェルネス・リカバリー・アクション・プラン)の「内省」を実践しながら、過去を前向きに捉え直す姿が印象的です。
この本は、単なる失敗談集ではありません。
「誰もが抱える恥ずかしい記憶は、実は人間らしい証」
「病気を抱えても、家族や友人の支えで生きていける」
そんな普遍的なメッセージが込められています。
精神疾患を遠い存在と感じている人こそ、作者の率直な言葉に触れてほしい。
自分の過去を振り返り、少しだけ優しくなれる一冊です。
逢坂 純著
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