小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は夜更かしが、すきゾ!

古賀さんは、油科さんのアパートに出向いて行った。呼び鈴を鳴らすと、油科さんはすぐに顔を出した。油科さんのお兄さんはもう帰っていて、アパートには油科さん一人だった。 油科さんは古賀さんの顔を見ると、何か思い詰めた表情で、古賀さんを迎えた。 油...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はシャイニングが、すきゾ!

僕と優作は、スティーブン・キング原作のシャイニングを観ていた。テレビ画面の中では、ジャック・ニコルソンが斧を持って、逃げ惑う妻を追っていた。 そこには、家族を手に掛けようとする悲哀さは全く無かった。 優作は、ボーっと眠いような顔をして、画面...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は看護師がすきゾ!

僕は久しぶりに、デイケアに来ていた。 佐々木さんはいつも通り、優しく笑顔で迎えてくれた。 「彼女とはどうなってるの?」 おせっかいな女だ。僕が油科さんとどうなろうと佐々木さんの知った事ではない筈。 僕は思った。僕は女運が悪いのだ。 「告白は...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はひとの不幸が、すきゾ!

油科さんは泣いていた。僕はそれを黙って見つめていた。油科さんのお兄さんは、油科さんを責める事なく、僕と同じように、油科さんの泣き顔を見ていた。 「どうして、そんな嘘をついたんだ」 油科さんのお兄さんが言った。 油科さんは只泣くばかりで、お兄...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は誤報が、すきゾ!

僕が油科さんの家に着いたのは、それから一時間後の事だった。彼女のアパート、こんなに遠かったかな?自転車のペダルは、思いのほか、重く感じた。 僕は駐輪場に、自転車を停めて、彼女の住む二階の角部屋へと向かった。 ピンポーン、一度ドアチャイムを鳴...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は電話が、すきゾ!

電話のコール音は数十回、鳴り続けた。僕は携帯を持つ手をブランと下に落とした。その時、電話が繋がった。 「もしもし、もしもし」 その声は男の声だった 宏人は、咄嗟に電話を切ってしまった。宏人 赤い丸ボタンを何度も何度も、タップして電 話を切っ...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はボディが、すきゾ!

「そうかー、お前達、付き合ってるのかー!」 優作が喜んで言った。 「何だよ、何だよ、一言も俺に言わないでよー」 フッと優しい目になった優作は僕をジッと細い目で見つめていた。 古賀さんが言った。彼女は今、どうしてるの?と。古賀さんは、僕が彼女...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は妄想が、すきゾ!

僕達は、撮影した映像をチェックし終わって、僕と優作はまだ興奮していた。 只、古賀さんは一人、黙っていた。 「どうしたの?朝子さん」 古賀さんは重い口を開いた。 「どうして聞かないの?」 それは僕に向かって言った言葉だった。 「何を?」僕は彼...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕は監督が、すきゾ!

映像専門学校に入れば、幾らでもプロの機材で思う存分、映画を作れると言うのに、どうして、今、なのだろうか。 優作は僕に言った。 「ここが俺のスタート地点だ」と。 優作は、映像専門学校に入って、映画を撮る技術を学ぶ前に、自分の力だけで作品を作っ...
小説『僕はおまえが、すきゾ!』

僕はロボット開発が、すきゾ!

優作が、映画を撮ろうと言い出した。古賀さんは女優志望らしい。何とも俗物な女だろう。まあ、それを言うなら、優作もおなじ俗物な人間なのかも知れない。優作は将来映画監督になって映画を撮るのだー、とか言っている。 優作も古賀さんも、世の中の事を何も...
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