僕達は、撮影した映像をチェックし終わって、僕と優作はまだ興奮していた。
只、古賀さんは一人、黙っていた。
「どうしたの?朝子さん」
古賀さんは重い口を開いた。
「どうして聞かないの?」
それは僕に向かって言った言葉だった。
「何を?」僕は彼女が何を問うているのか、分っていたけど、わざと聞き返した。
「油科ちゃん、連絡取れないの」と彼女は静かに言った。
「どうしたどうした?」
優作は、アドレナリンが抜けきっていないようで、一人陽気に僕に言った。
「彼女、電話も出ないし、アパートに行っても、居ないの」
僕は黙っていた。そしてあの夜の事を思い返していた。その時、僕は頭の中が破裂する音がした。
「武田さん、油科ちゃんに何をしたの?武田さんと会ってからよ、こんな事。彼女に何をしたの!」
頭の中では、尚も脳みそが崩れていく音がした。
「僕、死んじゃうの?」
「え?」
「僕、捕まっちゃうの?」
僕はオロオロと優作に縋った。
「どうしたの!?武田さん。大丈夫?!」
古賀さんは驚いて叫んだ。
「おい、何言ってるんだよ」
「なあ、大丈夫だよな、僕、死んだりしないよな」
「おい!」
優作が大声を出した。その声で、僕は正気に戻った。
「頓服、持ってるだろ?ひとまず飲んで落ち着けよ」
僕はリュックサックから、頓服の袋を取り出足、液体の頓服の封を切って、飲んだ。
僕の突然の興奮状態は、統合失調症の症状だけのせいでは無かった。いや、油科さんに対しての水面下でのストレスが、主てに爆発したのだ。
「僕、あの夜、彼女と寝たんだ」
優作と古賀さんは、驚いた顔をして僕を見つめた。

