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僕は夜更かしが、すきゾ!

古賀さんは、油科さんのアパートに出向いて行った。呼び鈴を鳴らすと、油科さんはすぐに顔を出した。油科さんのお兄さんはもう帰っていて、アパートには油科さん一人だった。

油科さんは古賀さんの顔を見ると、何か思い詰めた表情で、古賀さんを迎えた。

油科さんは古賀さんを見ると、ずっと黙っていた。

「妊娠……嘘だったんだ」

油科さんは、黙って頷いた。

「どういう事なの?」

古賀さんは聞き返した。

「古賀さんは、好きでもない男と寝られる?」

油科さんは古賀さんに聞いた。そしてその答えを待つ事も無く、続け様に言った。

「私は、出来ないそんな事」

古賀さんは黙っていた。

「武田さんはそういう事、平気で出来るんだよ」、油科さんは感情を高ぶらせて言った。

「もう諦めちゃいなよ、あんな男」

「私は諦めない。だって悔しいもの!」

油科さんは今にも泣き出しそうに言った。

「それは、愛じゃないよ。只の執着だよ」

油科さんはハッとした表情をして黙った。

古賀さんはゆっくりと油科さんを抱き締めた。油科さんは今にも泣き出しそうだった。

古賀さんはうん、うん、と油科さんを受け止めた。油科さんは、緊張の糸が切れたように、泣き始めた。そして、何かが堰を切ったように、古賀さんを抱き締め、泣いた。古賀さんは、油科さんのそんな気持ちを黙って受け止めていた。しかし、古賀さんは只、油科さんを受け止めていたのではなかった。優作の古賀さんへの気持ちも、多分同じだと思うのだ。

不安で一杯なのだ。

二人は、たくさん泣いて、たくさん僕達を罵倒して、そしてその日は、古賀さんは油科さんのアパートに泊った。夜が更けても、アパートからの灯りは消えなかった。

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