第二の疑惑は、自分で物事を判断する事が難しい状態に陥り、
アパートの部屋に掛かってきた一人の女性の電話で、
ビルの貸し会議室に呼び出され、何十万円もするインドのタージマハルの絵のコピーを、
分割のローンで買わされた事だ。
その絵自体は、30万円くらいだったのだが、
クレジットを組むと、数百万円に化けるといったある意味、詐欺商法だった。
その頃は、もう一日中、家で寝てばかりの生活を送っていた僕は、
栄養失調気味になり、部屋には、てんかんの薬が封を切らないまま、
どっさりと段ボール箱の中に溜まっていた。
絵を買った時も、両親の生年月日もまともに覚えられていなかった。
それでも売買は成立してしまい、
ローンを組まれて、大学生の僕には大金過ぎる絵が、
ボロのアパートに運ばれてきた。
僕はそれを実家の親にも言えなく、
それでいて何かアクションを起こす訳でもなく、悩み、病んでいった。
第三の疑惑は、先ほど少し触れたが、飲まなければいけない薬を長期に渡って、飲まなかった事だ。
僕は幼い頃に手術で頭を開いており、てんかんと診断された。
それからずっと、てんかんの薬を飲んでいた。
実家の愛知にいた頃は、僕が薬を飲み忘れないように、母が薬を管理してくれたのだが、
大学生になり、関西圏の大学入学を機に一人暮らしをする事になり、
薬を全く飲まなくなってしまったのだ。
原因と思われる疑惑三つを並べたが、
多分、その全てが僕が統合失調症を発病した原因だと思う。
逢坂 純著『僕の頭の中のぷっちょ』より。

