アナグラムとは、単語や文の中の文字を並べ替えて、全く別の意味の言葉を作る言葉遊びの事です。
僕はよく、アナグラム的に人の言う言葉を、悪い方へ悪い方へと考えてしまうのですが、それは統合失調症の症状とは別物なのでしょうか。
水道の蛇口から水がポタポタと滴が垂れてたら、「蛇口、締めて」と言われました。
それを僕は、「お前は蛇のようにしつこく喋るから、絞めてやる!」という意味に聴こえるのです。
毎日、そんな言葉遊びのような事にぶつかっている僕は、それは既に言葉遊びでは無く、言葉で苦しんでいると言っていいでしょう。
それは、自分の知識の範囲の中で言葉の意味を作っているのだと、思います。
だから、もっと言葉の語彙や知識を増やせば、おのずと、相手の言った通りの意味の言葉を聞く事が出来るんだと思います。
『アナグラムは統合失調症とどう関係があるの?』
私には聞こえる。あなたの言っている言葉の意味が私を愛していると。
「チーフ、私も愛しています!」
「横溝さん、な、な、何いきなり」
「え?」
「あ、いえ。何でもありません」
またやってしまった。私のバカバカバカ―!
私は狼狽した。ここは私がアルバイトしているファミリーレストラン『エトランゼ』。
私には人に聴こえない声が聞こえる。
「横溝さん、休憩入っていいよ」
「求刑なんて、私何も悪い事してません!」
「いや、求刑でなくて、休憩」
「だ、大丈夫?横溝さん」
「はい。大丈夫です、私、休憩要りませんから」
「いや、色々と法律変わって、うるさいからさ」
チーフはそう言って、苦笑した。
「はい、分かりました」
休憩室のドアを開けると、そこには店長が携帯電話で電話をしていた。
店長は、私に向かって、ジェスチャーを交えながら、言った。
『紙とペン取って』
店長は口パクでそう言ったので、私はその口を読mおうと必死だった。
「神と店・・神と店・・・神の店ですね!」
私は大きな声で、そう叫んだ。
店長は、電話の受話器を手で抑えると、私に向かって言った。
「ちょっと出てってくれないか?」
「あ、はい」
私は店長の言うままに、休憩室から外に出た。
休憩室の外にはチーフが立っていた。
「横溝さん、バイトのシフト、後で連絡して」
「恋落・・私、やっぱりチーフに恋に落ちました!」
「はぁ?!」

