ピア(peer)とは、「仲間」「対等」「同輩」という意味だそうです。そして近年よく耳にする「ピアサポーター」のピアとは当事者主体という意味合いを持つそうです。僕は作家活動を通して、このピア(当事者主体)をモットーとし、統合失調症の当事者が僕の文章を読んで、「そうだよねー」とか「分かる分かる」というような共感を持って貰えたらと思い、ペンを取り作家活動に臨んでいます。今日も原稿用紙2枚ほどの習作を書きました。お時間のある方は、お読みください^^。宜しくお願い致します。
「同感です。いえ、共感です」
多分、僕の親は実の親ではない。
多分、僕は母親の姉、叔母さんの子供だ。
自分の親が実の親ではない証拠は幾つかある。
叔母は、僕にお正月のお年玉を、僕が成人した今でも、くれる。
テレビでは、20年振りに東北地方を襲った記録的大雪の事を大きな声でリポートしている。
証拠は幾つかある。
両親は僕に他人行儀で、僕に不思議な程に優しい。
妹だって町内の雪かき当番が回ってくれば、雪かきをやっているのに。なのに僕は雪かきをやらせて貰った事が無い。
家の電話にも取らせて貰えない。
誰か訪問客が家に訪れても、玄関に顔も出させて貰えない。
決定的な証拠がある。妹は父親似で凛々しい目をしているが、僕は両親の誰にも似てない。
今日は僕の誕生日だ。誕生日に叔母さんが送ってくれたディズニーランドに一緒に行ったビデオを皆で観る事になった。
「嫌だわ、私。写真もビデオも嫌い」
母は、そう言うと、ⅮⅤⅮプレーヤーにディスクを入れて再生した。
画面の中では、え?画面の中には?え?え?
画面の中には女装をした僕が映っていた。
こんなの記憶に無い。ショートカットに太い眉。そこにはスカートを履いた僕が居た。
「やっぱりあんたは私似だね」
眉の細くなった母親が僕に言った。
「学生の時は、あの眉毛が嫌で嫌で仕方が無くってね。それに私の時代は細い眉毛が流行っててね。あー、眉毛なんか剃らなきゃよかった。今は後悔してるわよ。眉毛、こんなになくなっちゃって。ショートカットに太眉、今のあんたにそっくり」
画面の中には、太い眉毛の僕と母がいた。
僕の家族はこの家族以外には、どこにもいな
い、そう思えた。

