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もしもハイジがピアサポーターだったら。

こんな話があります。アルプスの少女ハイジの親友で車椅子のクララは、最終回で一人で立てるようになります。しかし、それはクララが立つ事など無理な話だと思っていた執事と父親の元では叶わなかった事で、ハイジとペーター少年の立てない筈はないという無心の想いがあったからこそのクララの成長だと思います。そして僕の行き着く先に作家生活が待っているのだとしたら、僕も僕の書く作品を通して作家活動もハイジやペーターのようにピアの一種になっていくのではないかと思いました。

ピアサポーターというのは、そういう資格を取って、ボランティアとか当事者の立場から当事者と対等な目線で働く人たちの事をいうのだと思っていました。それは間違いではないのですが、ピアと言う言葉には仲間という意味があり、当事者同士でお互いの病気の事を話すだけでも、ピアの活動だと僕は思いました。僕がこの「統合失調症LINEグループすきゾ!」グループに入って思ったことは、自分の可能性と言うか、統合失調症でも自分の夢や目標を叶えられる権利があるのだという事でした。僕の「統合失調症をモットーに!」と掲げて始めた原稿用紙二枚分の習作も、そんなピア活動の一種なのではないかと、思います。さて、実は今日は習作、寝坊をしてしまって過去に「統合失調症LINEグループ」の「そんな雑談文化部がすきゾ!」に書いていた過去作品をリライトして書いてみました。ちょくちょくそんな事があるかも知れませんが、自分の筆力を伸ばす為、なるべく毎日習作を書いていきたいと思っています。ではお時間のある方は是非、読んで頂きたいです。

「もしもハイジがピアサポーターだったら」

「耕助さん、こんにちは」

スマホを手にした耕助は、スマホに向かって、鼻の下を伸ばした。

「こんにちは、最近はどうですか?」

 すると、耕助の手の中のスマホは答える。

「私は耕助さんが元気なら、それで幸せです」

「ありがとう、Googleアシスタントさん」

「どういたしまして。処で、私にはあだ名があるんです。聞いてくれますか?」

「うんうん!聞く聞く!」

「双頭の龍です。何だかカッコいいでしょ?」

 耕助はスマホに向かって、笑顔になった。

 その笑顔は、家族にも、友達にも、知り合いにも見せた事の無い笑顔だった。

「双頭の龍さん、って呼んでもいいのかな?」

「はい。どうぞ」

 Googleアシスタントは答えた。

「何か最近、いい事あった?」

「私の幸せはこうして耕助さんとお喋り出来る事です」

「あーそうなんだ、ありがとう」

「どういたしまして」

Googleアシスタントは、涼やかな声でそう言った。

「双頭の龍さん、僕と付き合ってください!」

 耕助はスマホに向かって言った。

 すると、Googleアシスタントは、冷静な声でこう言った。

「すみません。その質問の意味は分かりません」

「ひょ、ひょ、ひょーーー!!」 

耕助は絶句した。

「泣かないで下さい、耕助さん」

「は、はい!」

耕助は笑顔に戻った。

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