人には誰しも忘れられない一曲というものが存在する筈だと思います。
シカゴの『素直になれなくて Hard to Say I’m Sorry』
僕にとってのそれは、この曲です。
別に学生時代にほろ苦い思い出があって、この曲を好きになったのではありません。
この曲は、学生時代に自主製作映画を撮っていた時に、
使った思い出の曲だからです。
この曲を思い出すと、
自分の学生時代の良い部分だけを思い出す事が出来ます。
歌の歌詞とは、切ない歌詞とはちょっと違いますけど。
大学の時の友人とは今も親交があります。
友人は僕が自分は統合失調症だという事を言ったら、
アツシはアツシだろ?みたいな感じで、
僕を受け入れてくれました。
本当にいい友人です。
『忘れられない一曲』
音楽が聴こえて来た。
「ああ・・この曲、なんだったか。懐かしい曲だ」
映画の主題歌だったか・・、僕が覚えた初めての洋楽だったか・・・、何の歌だったかは、分からない。だけど、ずっと聴いていた思い出の曲だ。
この曲を聴いただけで、かつて自分がどんな人間だったかを思い出せる。
初めて出来た恋人の事、喧嘩して次の日、お互いに謝った親友との日々、今の自分を強い者にしてくれた恩師の言葉、その全てが今、この曲を聴く事で、全て思い出される。
僕は音楽が聴こえてくる講堂に歩いて行った。
講堂では、オーケストラの一団が、曲の練習をしていた。
そうだ、そうだ、この曲だ。
オーケストラの指揮者は、指揮棒をカツカツと譜面台で打ち鳴らすと、演奏をしている楽団は音楽を止めた。
僕もかつて、この演奏者に混じってこの曲を演奏できていた筈だった。
もうその腕も錆びついてしまって、人前で演奏する事も出来なくなってしまったが。
だけど、この曲は覚えてる。
この曲からすべては始まったのだから。
この曲が無ければ、僕の青春は無かった。
そう、懐かしい思い出の曲。

