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鬼が来る。

うちの両親は僕を見損なっています。

僕を過小評価しているんです。

例えば、毎回部屋に入る時に、母は必ず階段の電気を消してと言うのです。

今、やろうと思ったのにという事が沢山あり過ぎます。

食後には、薬を飲みなさいと言います。

今、飲もうと思ったのにといつも思います。

今やろうと思った事を言われるのは、ちょっとイラっとします。

だけど、それにも慣れて最近はそれを気にせずにいられる事が出来るようになりました。

それは人の注意を聞き流してしまうという危険性を伴うのかも知れません。

精神的自立が出来れば、そんな事も言われないんだろうと思っています。

『鬼が来る』

サイレンが鳴った。

毎夜の事ながら、僕はそのつんざくようなそのけたたましい音に、ビクビクし恐怖した。

鬼が来る。

鬼は、夜には目が見えない。

だが、昼間には太陽の日の光を浴びる事が出来ない。

鬼は毎夜、僕の町を徘徊した。

鋭く敏感な鬼の嗅覚は、僕らを探し、追い駆けて来る。

僕らは真夜中の街を徘徊した。

僕らは真夜中の街中をひたすら走った。

鬼が追って来る。

逃げなくては殺される。

皆、喰い殺される。

もうすぐ衙門様のお屋敷に着く。

そこまで行ければ、もう鬼は僕らに近づけない。

そこまで一気に走るのだ。

あと、10メートル・・・・あと50メートル。

僕らは門構えに向かって走った。

あれ?一人足りない。

僕らは5人いた筈だ。

いや、初めから四人だったのか?

僕は彼らの顔を一人一人、見回した。

鬼だ。鬼が僕らの中にいた。

クンクンと鼻を鳴らし、鬼は僕らの中に紛れて立っていた。

鬼は僕らを食い尽くした。

そして鬼は門をこじ開け、屋敷の中へ入っていった。

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