スポンサーリンク
スポンサーリンク

逢坂 純著障害文学連作短編小説詩歌集『純・文学』心の垢を削り、愛だけを残す物語。

この作品『純・文学』は、僕が自分のために書いた小説です。誰かのために書いたものではなく、ただ自分の心の垢を落とすために、汚れた部分を一つずつ削り落としていくような、そんな作業の記録です。
蟷螂の雌が産卵後に雄を食べてしまうという話を聞いたときから、この物語は始まりました。
煙草を吸う自分の姿、トンテキをナイフで刻んで食べる行為、タラバガニの脚を無言で貪る晩ご飯……そうした日常のささやかな動作の中に、欲望や背徳、男と女の刹那的な関係を重ねてみました。
フィクションだからこそ、僕は遠慮なく自分の真実を隠しながら、物語に塗り込めることができました。
うそとほんとうがぐちゃぐちゃに混ざり合った中で、僕の本当の姿が、どこかに透けて見えるかもしれない。
エベレストに登った義足の男のニュースを見ながら、自分が小説家を目指して嵌った蟻地獄のような日常を描いた「登山家」。
一人きりの部屋で熱に浮かされながら、水泳のレースに喩えて自分の欲望と闘う「スイマーズハイ」。
すべては、統合失調症の僕ではない、もう一人の僕の物語です。
不純物だらけのこの世の中で、若者たちが輝いて見えるのは、彼らを取り巻く環境のせいだと僕は思います。
自己愛しかなかったはずの場所に、最後にはただ「愛」だけが残ることを願って書き続けました。
この小説には派手な展開も、大きなドラマもありません。
ただ、煙草の煙、肉を切る音、オレンジを齧る感触、そんな小さな感覚の中に、僕のすべてを詰め込みました。
読んでくださる方が、フィクションの世界に浸りながら、ふと自分の現実を思い出し、そこに自分の姿を重ねてくれたら、それ以上に嬉しいことはありません。
僕にとってこれは、綺麗な身体になっていくまでの物語です。
統合失調症を抱えながらも、ただ一人の人間として、心の底から書きたかったものです。
もしこの作品が、あなたの心のどこかに小さな光を灯せたら、僕はとても幸せです。

純・文学 連作短編小説・詩歌集 amzn.to

500円 (2026年04月15日 15:08時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する

タイトルとURLをコピーしました