僕は障がい者雇用で、飲食店で働いていました。
その店は、ナンとカレーを提供するカレー屋さんだったのですが、
初めのキッカケを間違えて、ナンを作る事が出来なくなってしまって、
皿洗いに終始するようになってしまいました。
それでも、その皿洗いは僕には楽しく、今日はこの皿が沢山出たから、
お客が多いなとか、考えながら仕事するのが楽しかったです。
皿洗いは無心になれると、キッチンスタッフの方が言っていたのですが、
僕としては、店の反響を把握出来るのは、皿洗いの仕事ならではと思いながら、働いていました。
仕事は結局、一年ちょっとで辞めてしまったのですが、
色々な面で、勉強になった一年ちょっとでした。
また、障がい者雇用の事が考えられるキッカケとなった仕事でもあります。
『精神障がいを取り巻くお仕事』
亮介は、頭を深々と下げた。
「私が今日から、原田さんのお世話をします、田上亮介です」
原田さんと亮介が呼んだ女性は、統合失調症という精神障がいを抱えている人だった。
「亮介」
「りょ、亮介?!は、はい!」
「タメ口にしようよ」
「え、でも」
「私の事も絵梨って呼んでよ」
「あ、はい。分かりました」
「タメ口―」
「あ、はい、違ったうん」
「何か違うんだなー」
絵梨は亮介の周りをグルグルと周りながら言った。
「髪の毛も服もダサい。私の世話するんだったら、ちゃんと身なりも整えてきて」
「そんな必要ないんじゃないの?」
「読者モデルで雑誌6冊に引っ張りだこの、この私が何でそんなダサい人と一緒に外出しなきゃいけないのよ」
「でも・・・・」
「ちゃんとしてくれないと、私、あなたのお世話にはならない」
亮介は絵梨を見つめて、黙ってしまった。

