作業所の職員さんと話していた事です。
義務教育では、学力の差が激しくでてしまっているけれど、
高校、大学と進学するのには、受験という試験のお陰で、淘汰され、
同じレベルの仲間が集まるという話という事です。
大学なら尚更、専門性のある勉強をするから、同じ種類の人間が集まって来るのも当然なのだそうです。
福祉の世界では、どうでしょうか?
駅の清掃を自分のペースでやっているメンバーさんがいます。
その人は他の人に比べると、少しスピードが遅いのかも知れません。
しかし、その人は清掃作業に数多く入っています。
その人もまた、駅の清掃作業をする一人として、戦力になっているのだと思います。
『淘汰』
「それ!今、ウッキッキ―みたいなポーズ取ったの、僕が猿並みの脳みそだって事?!」
「それ、統合失調症の基本的症状、TSKだから」
「え?え?誰?幻聴?!」
「それも統合失調症の基本的症状、TSKだから」
僕はベッドから飛び起き、部屋のドアをダッシュして跳ね出て行こうとした。
と、その瞬間、僕は跳ね飛ばされた。
「ワッ!」
尻もちを突いた僕は、ドアの方向を振り向いた。
誰もいない・・・。
そこは病院の病室だった。
その個室には、ベッドと窓にはブラインドだけがある簡素な室内だった。
ブラインドを指で捻り開け、外を覗いてみた。
そこには、病院の中庭でバレーボールを楽しむ数人の患者らしき人達がいた。
と、壁の向こうから唸り声が聴こえてきた。
―僕は違う。僕は誰とも違うんだ!。
その時、初めて自分の周囲に目を向ける事が出来た僕はそう思った。
「いや・・・同じなのか・・・?」
僕は開いたドアを閉めて、ベッドに横になった。
「僕は・・今・・どんな顔をしているんだ?」
僕は急に自分の顔を鏡で見たくなった。
でも、それは叶わない事。
その病室には鏡が置いてはいなかった。

