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ポジティブとネガティブ、根っこはどちらも同じような気がする。

福祉の用語に『傾聴』という言葉があります。

否定もせず肯定もせず、相手に寄り添う事だそうです。

でも、僕は幻聴が聴こえた時には、そして間違った被害妄想の症状が出たとしたら、それは間違いだ、嘘の声だと言って欲しいのです。

そんな僕でも、聴こえる幻聴はネガティブなものばかりでは無い時もあります。

時々、ポジティブな幻聴が聴こえる時もあるのです。

でも、残念ながらそれも嘘なのです。

『名探偵コナン』の名台詞に「真実はいつもひとつ」と言う言葉があります。

そう、真実はいつもひとつなのです。

幻聴は嘘の声で、被害妄想は本当の事じゃないのです。

それでも、ポジティブな幻聴が聴こえた時だけ、それを間に受けてしまうのです。

聴こえる幻聴の全ては、全部嘘なのに・・・。

『ポジティブとネガティブ、根っこはどちらも同じような気がする』

何故、それを真実だと信じられるのか。

真っ暗な部屋の中のベッドで僕は目を覚ました。

僕は泣いていた。さめざめと流した涙は僕の心の中に静かに溜まっていった。

あんなに素晴らしい思いに満たされていたというのに。

だけどそれは、僕の頭の中で一日中聴こえる幻聴がそう言っているからだ。

僕はそれを信じていた。

僕は今、成功の階段を上っているのだと。

毎日夜に起き、スマホゲームの中毒になり、夜を明かしている日常なのにも関わらず僕は幻聴の声を信じていた。

ネガティブに引っ張られそうになる夜は、耳を塞いで目を閉じる。

そうして僕は悪魔の声をやり過ごす。

そして成功のイメージの海に身を浸した。

潮風がヒリヒリと、僕の体の中を吹き抜けていった。

僕は海の中で深呼吸をする。

どうしてそんな事が?その海は僕の頭、身体、手足だからだ。

そうして、僕は成功を願った。

その時、突然それを遮る声がした。

それも全てうそなのだと。

そこで僕は現実に引き戻された。

だけども、そのネガティブでもポジティブでもどちらの幻聴でも、僕はいつも時間が経つとそれが何を言っていたかを忘れてしまっていた。

でも、自分にはそれはそれでいいのかも知れなかった。

そうして、僕は何が嘘で何が本当かを悩み、朱色の渦に巻き込まれていく。

それから逃れる術はちゃんと持っている。

普通の毎日を離れ、成功の海に身を浸すことだと僕は知っている。

だから、僕は成功の海に身を浸し、毎食後の薬を飲み続ける。

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