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戦時中の私達。

最近『なるにはBOOKSシリーズ小説家になるには』という小説の書き方というか小説家のなり方の本を読みました。かなり昔の本で、『火垂るの墓』の作者野坂昭如さんのインタビューなどが掲載されていました。

そのインタビューに登場した作家さんはどの人も戦中時代に生まれた作家さんだったのですが、その生きざまには、今の作家には無い作家像を見る事が出来て、読み物としてもとても面白かったです。

戦後、作家という職業が軽んじられていた頃に、どんな風にして、そしてどんな理由で作家になったのかというのが、何とも今の作家には無い豪快さというか、豪傑さがあって、とても面白かったです。

『戦時中の私達』

これは戦争。

戦争を知らない世代の私達に襲い掛かった第三次世界大戦。

人が血を流す事の無いサイバー戦争。

闘いはもう既に始まっていた。

その闘いの戦士たちは、パソコンのキーボードを叩き、世界中の株価を操作し、大使館の情報を盗み、衛星に間違った指令を出し、地球規模で闘いを繰り広げる。

私達はもう既に一人一人がブラックボックスを持つ所有者だった。

その箱には決して触れてはならなかった。

それなのに、そのパンドラの箱を皆が皆、自由を欲しがり開けていった。

例え1000もの魔物が出て来たとしても、その最後には希望も残されていない。

そのブラックボックスを巡って、私達は戦争を仕掛けた。

あたかもその闘いは、日本とは無縁の物語に扱われていた。

私達は、油断しているうちに戦争の渦中の人になった。

私達はもうその最初の一歩を踏み出していた。

それは灯りを消した真っ暗な部屋の中で、もしくは誰も寄り付かない備品室の中で、もしくは一人孤独にパソコンの前に座っている中で、それはもう始まっていた。

大人たちの知らない所で、闘いはもう始まっていた。

人間の本能は、その闘いが大好物だ。

終わらせなければいけない。この誰が仕掛けたかも分からない戦争を。

知らなければならない。この戦争の終わらせ方を。

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