僕は親孝行かどうかと聞かれたら、親孝行この上無いと思います。
それは何故かと言うと、僕が統合失調症だからです。
日常生活、経済面、健康面、全部おんぶに抱っこで、それはそれで親不孝なのですが、僕が統合失調症のお陰で、母も父も落ち着いてゆっくりしている暇がありません。
母は趣味の料理を存分に振る舞い、父は市で借りた畑で無農薬野菜を作り、認知症になってる暇などありません。
家族は全員口が悪く、言いたい事を言ってるけど、皆、好きな事を言っていて、相手の言う事など聞いちゃいない。
なんて言っている僕ですが、やはり親行孝親不孝どちらか考えるのではなく、どうやってこれからの人生を親子で一緒に乗り越え、楽しんで生きるかかなぁ。
これからも両親を大切に、両親の愚痴も聞きながら、楽しく生きていきたいです。
『親孝行を考える』
この部屋は日当たりのいいリビング。
僕はお母さんとお父さんと三人家族。
今夜もいつものコーヒータイム。
この至福なひと時は、僕の心を穏やかにさせる。
喧嘩など一切しない。
僕ら一家は喧嘩などした事が無い。
「昨日はどんな一日だった?」
「仕事に遊びに楽しい一日だったよ」と、僕は言う。
毎日の生活に追われ、謀殺の日々を送った過去はもう過ぎた。
これからは、ゆっくりのんびり毎日を過ごせたらそれが至福の時。
と突然、家の電気の全てを賄っているブレーカーが外れた。
その途端、リビングが消えた。
父と母の笑顔も消えた。
いいや、笑顔だけでなく、その実体も消えた。
ここは冷たい窓の無いコンクリの部屋。
テーブルもコーヒーも、全ては幻影。
そして僕は一人ぼっち。
初めから無かったものを欲しがるのは、いけない事だろうか。
この発達した未来で、家族を作るのは罪か。
キネトスコープで家族を作るのは簡単だ。
ブレーカーを上げて、電気が元通りに戻ったら、また家族団らんをしよう。
きっとまた始められる。
楽しい家族の時間を。
全身の力が抜けて来た。
もう僕の力では、ブレーカーは上げられない。
さようなら、僕の家族。
さようなら、僕の幻影。
さようなら、自分。
と、その途端、僕の存在もパッと消えた。

