新大久保の超格安ホテルで地下室!の続き。
地下に案内された僕に、受付の男は鉄の扉を開け僕を部屋に招きました。
部屋の中には、全部で三つのパイプ二段ベッドがありました。
男は、僕に一番奥の二段ベッドの上のベッドで寝るように促しました。
僕は恐れおののいて、他に空いている部屋はあるのか、と聞くのですが、男は今日は満室だと言うばかり。
諦めて僕はニ段ベッドの上のベッドに登って、
荷物をベッドに置きました。
周りを見ると、全裸の男が毛布を被って寝ていたり、ドレッドヘアーで上半身裸のタトゥーがバリバリ入った外国人、斜め下のベッドを見れば、こちらをニヤニヤと見つめている中年男が。
僕は荷物を抱えて、眠れぬ夜を迎えました。
眠れず朝になって、朝6時。
トイレに行く為に、共同キッチンへ行くと、
昨日の夜はあんなに怖く見えた外国人の男がにこやかに「オハヨウゴザイマス」と挨拶をしてくれました。
ホテルを足早に出ると、朝の新大久保の街は活気があり、賑わいでいました。
『夢と生きる』
今日も明日も明後日も休み、この先ずっと何の予定も無い。
僕は布団の中に潜り込み、ついさっき迄も13時間ばかり昼寝をしてしまっていた。
それはもう昼寝とは言えず、もう窓の外は暗くなっていた。
窓を開けた。
外から流れてくる冷気は、僕の寝ぼけた頭を正気にさせる。
僕は睡眠中に寝ていた夢を思い出す。
僕の住むもう一つの街の夢だ。
いつも同じ街の夢。
僕はその街中を案内できる程、その街を知っていた。
見る夢の街はいつも形を変えているのにも、関わらず。
現実の僕の町よりも、夢の中での街の方が、
僕にはリアルに思える。
どちらが夢でどちらが現実か、分からなくなる程、毎日長い眠りに就いていた。
普通は夢の中の自分は、何の不自由も無く夢の中を闊歩する。
それが夢の特権だからだ。
だけど、僕の見る夢の中の僕は、雁字搦めに鎖で繋がれた去勢したドーベルマンのようだ。
僕は黒々とした毛並みのドーベルマンに吠え立てられるのだ。
その犬の名は、決して分からない。
その犬は、僕の夢の中でずっと生きている。
生きていく。

