僕はメンタルクリニックにいつも行く時、予約をしません。
病院の先生がいつでもいらっしゃいと言ってくれるからです。
それで毎回、1時間程、診察で呼ばれる迄、待ち合い室で待っているのですが、
待ち合い室は、開業医だけあって、とてもゆったりと出来る雰囲気で作られており、
待ち時間の一時間を僕は、何もせずにボンヤリと診察を待っています。
そのうち、僕は心の中で先生に言おうとすることを、
自問自答して順番を待ちます。
すると、自分の悩みが自分自身で考えることで、浄化とはちょっと違うかも知れませんが、
得も言われぬ気持ちになって、診察を受ける前に晴れやかな気持ちになれます。
それから先生の診察を受けるわけですが、
先生に自問自答の事を言うと、「それはいい事だね」と言ってくれます。
毎回、通院の度に診察前に自分の現状の問題と向き合っているのですが、
何度自問自答して、問題を自分で整理できたとしても、医者いらずとは思えません。
『自身との対話』
「どうしてみんな、あんなに幸せそうにしてるんだよ」
僕の目の前の友人は黙っていた。
そして友人は言った。
「幸せそうに見えても、皆それぞれ悩み事を抱えてると思うよ」
「だったら!だったら、どうして俺には金も無く、彼女もいない。やりたい事だって見つからない」
僕は彼に吐き捨てるように言った。
「それらを掴もうと思えば、君だってその全部を掴めるはずだよ」
友人は冷静に言った。
「僕に何が出来るって言うんだ。誰一人友達もいない、仕事だって無い。そんな僕になにが出来るって言うんだ!」
「君は自分で自分の可能性を狭めてるよ」
友人は僕の言葉に声を荒げたりしない。
「限界なんだよ!僕に、これ以上何をやれって言うんだ」
友人は尚も冷静に言った。
「僕にも出来るんだから、きっと君にだって出来る筈だよ」
僕は友人に劣等感を抱いていた。
「どういう理屈だよ、言い切れるのかよ!」
「ああ、君は僕だから」
「僕は君?何を言ってるんだ」
僕は彼に背を向けた。
僕は肩を震わせ、声を殺して泣いた。
「どうして、どうして僕ばかり・・」
「大丈夫だよ。君は幸せになれる」
彼は僕の背中に向かって言った。
「何の根拠があって、そんな事が言えるんだよ!言えよその根拠を!」
振り返ると、彼は消えていた。
いや、初めから彼など存在していなかったのだ。人は初めも終わりも一人なのだ。
幸せは自分自身で掴むものだと僕は悟った。

