僕は、今はそうでもないのですが、以前は酷くある被害妄想がありました。
それは、テレビの『警察24時』的な番組でした。
警察官が睨んだ容疑者に「ポケットの中に何が入ってる、出せ」と優しい声で聞くと、
大概は白い粉が入っているのです。
それを見て僕は、自分は何も悪い事をしていないにも関わらず、酷く怯えてしまいます。
病気が酷かった時は、「テレビでやってるこの犯人って本当は僕の事じゃない?!」って、
取り乱した覚えがあります。
あの時は、僕自身もそんな事を言い出す僕を見てた周りの家族も怖かったんじゃないかと思います。
『妄想警察24時』
ピンポーン。アパートの部屋のドアチャイム
が鳴ったのは、夜勤明けのもう昼近い時間だ
った。
僕はベッドの布団をかぶり、浅い眠りに入っ
たばかりだった。そこに鳴った忌々しいドア
チャイム。
ベッドから這い出て、Tシャツに短パンのま
ま、僕はドアを開けた。
ドアの外には、男が二人立っていた。
「あの?どちらさんですか?」
男の一人が懐から手帳を出して、それを僕に
見せて言った。
「警察です」
男の見せた手帳は、初めて見る警察手帳だっ
た。
「警察?」
「署まで、ご同行下さい」
突然僕の身に起こった事に、は戸惑った。
取調室では、僕を連れて来た男二人と、僕の
喋った言葉を素早く筆記する男がいた。
「朝の九時に何処で何をしていました?」
昨日の九時・・・。丁度、仕事が終わって家
へ帰っていた時間だった。
「多分、その頃は家で寝ていました」
「本当にそうですか?よく思い出して下さい」
「何なんですか?何があったんですか?」
警察の男の一人は、タブレットを僕に見せた。
そこは宝石店の防犯カメラだった。
そこに銃を持って現れたのは、・・・僕だった。
「これ、あなたですよね」
「違う、僕じゃない、僕は家で寝ていました!」
「このビデオに映ってるのは、あなたじゃな
いですか!」
「違う!僕じゃない!」
しかし、警察の男は取り付く島もなく、次々
に詰問してきた。

