僕は就労支援B型施設に通所しているのですが、その通所のキッカケが「人に配慮出来る人間になる」という命題にぶち当たった事なのです。
僕は知人に「君は人に配慮する事が出来ていないから、グループ活動での作家活動は無理だ」と言われたのです。
そしてそれを知人に相談したところ、「そういうのは超能力みたいなもんだからね」と言われました。
その言葉を言ったのが、僕が通っている作業所の所長で、配慮を超能力みたいなものだと言ったのでした。
『人に配慮出来る人はもはや、超能力者だ』
「今、君に足りないのは、他人に配慮する気持ちだよ」
作業所の職員さんは忠司にそう言った。
「他人に配慮する気持ちって、何ですか?」
僕は首を傾げた。
「うーん、そうだね、ひとえに他人に配慮するっていう事を具体的に示すのは、難しいしなぁ」
「他人に配慮するって何なんですか?」
「そうだねー、超能力みたいなものかな」
そう言って、職員の山岸は両手を広げ、ビビビと超能力を送った。
「超能力?」
「まあ、いいや。今日はもう帰りなさい」
と、二人は相談室の席を立った。
忠司は歩道を歩きながら、考えていた。
「他人に配慮する気持ちかー・・」
と、前に横断歩道を渡る女性が居た。
女性は、スマホを見ながら、歩道を渡っていた。
と、女性に向かって猛スピードでトラックが走って来た。
忠司は思い切り走った。女性の元へ。
間に合え!間に合え!
トラックはもう女性の目前に迫る。
女性はトラックに気付かない。
忠司は女性の背中を突き飛ばした。
と次の瞬間、忠司は宙に浮いた。
いや、トラックに撥ねられたのだ。
「あ、俺、死んじゃうかも」
宙をスローモーションで舞いながら、忠司は思った。
「俺ぇ~、やっとぉ~他人にぃ~配慮ぉ~できたぁ~か・・な」
「出来てねーよ!!」
通りを通る誰もが言った。

