今夜、電話したら駄目かな?
30代の頃、青森に住む男友達と、毎日長電話をしていました。
その時、僕は引きこもり中。
時間はどれだけでもありました。
時間を持て余した二人は、いつまででも電話で話していました。
その友達とは、長電話が原因でけんか別れしてしまったのですが、長電話という物の良い面も悪い面も分かったつもりでいました。
でも今、また電話を掛けたい人が出来ました。
だけど、電話というのは、
相手の貴重な時間を奪ってしまうという悪点も以前の経験から理解しているつもりです。
その筈なのですが、声が聞きたいと思ってしまうのです。
その人とは、いい友人です。
今後、それがどうなっていくのかは、今の僕には分かりません。
彼女が僕に求めているのは、リア友だからです。
弱い自分を彼女に見せたくはないけれど、僕も幸せになる為にあがきもしたいのです。
人間関係って本当に難しいものですよね。
はぁーー・・・
今日の作業所で、彼女と上手く話せたかな?
だけど、今日の失敗は今日のうちに取り戻すという持訓を噛み締めて、
今日の夜、彼女との電話の約束を取り付けました。
相手を尊重して、しつこくしないようにする、
そう思いながらも、自分の幸せを何よりも求めてしまうのです。
駄目でしょうか。
『今夜、電話したら駄目かな?』
自分の幸せだけを求めても、それが障がい者だったら、許されるのだろうか。
それが精神障がい者だったら。
友人は「みんな、頑張っている」と言った。
健常者だろうが、障がい者だろうが、
幸せになりたいのは、皆一緒で、その為にみんな頑張っているのも同じなのだと言った。
僕の目の前には、充電中のスマホが一台。
僕はパソコンに向かって、残った仕事を片付けている。
仕事と言っても、金にもならないような仕事と呼べる代物でもない仕事だ。
僕は統合失調症だ。
殆ど、無職と言っても過言ではない。
もうすぐ彼女の帰ってくる時間だ。
僕と彼女の生活時間帯は、真逆だ。
僕は彼女の帰って来るのを待って、彼女と一時間程電話をして、眠りに就く。
その一時間の電話が僕の今の至福の時であり、
そのまま寝入るまでの時間は、これ以上無い程の幸せな時間だ。
彼女の声が聴けるその時は、素直に嬉しい。
彼女の声が聴けない日は、素直に悲しい。
でも多分、それは普通の事なのだ。
何の計算も策略も要らない。
だって彼女が僕に求めるものは、友達なのだから。
僕にはまだ、その先は見えていない。
彼女も多分、同じだろう。
あ、彼女から電話が来た。
嬉しさ一杯で、僕は通話ボタンを押した。

