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あらゆる角度から見える真実。

最近は現在、劇場で公開されている『マトリックス レザセクションズ』を観る為に、復習として、『マトリックス三部作』を観ています。

昔観たマトリックスの世界観は、今観ると同じ作品でも難解には思えず、観る人それぞれの世界観で幾通りにも意味が変わっていく作品のように思えました。

幾つも名台詞があるのですが、その一つのセリフを取っても、幾通りもの意味が隠されているように思います。

僕の見ている僕の世界も、そうなのだと思います。

『あらゆる角度から見える真実』

家の前に段ボール箱の郵便物が置いてあった。

差出人の名前も何も書いていない。

先に箱を見つけたのは、妻の方だった。

妻はその名無しの郵便物を見て、怪しんだ。

夫の帰りを待って、夫にその箱を家の中に運ばせた。

夫はその箱を持って、その重さに驚いた。

「捨てて!そんな物、すぐに捨てて!」

妻は夫に言った。

その訳は、この数日に家に掛かってきた無言電話のせいだった。

妻は理由の分からない恐怖に怯えたのだった。

夫はその時、後ろめたい気持ちとゾクゾクするような恐怖を感じていた。

夫は、妻に隠れて浮気をしていたのだ。

夫は思った。

「爆弾・・・」

「え?」

夫の常識ではありえないと思えるような発言に妻は怪訝に問うた。

彼女の目には、その箱の中身はどう思えたのだろうか。

夫の目では、その箱に何が入っているのだろうか。

二人は互いに違う恐怖を感じながら、箱の中身を詮索した。

「開けてよ」

彼女は夫に言った。

「ああ・・・・」

夫は躊躇しながらも、妻の言葉に従うしかなかった。

と、夫は箱の隅に、赤いペンキのような物が付いているのに気付いた。

いや、それは血のりだった。

「開けてよ!」

夫は箱に手を伸ばして、段ボールのガムテープを剥がした。

箱の中にはボーリングの球が入っていた。

「ボーリングの・・球?」

夫と妻は顔を見合わせて、そして笑った。

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