体調がいい時には、ちゃんと妄想も幻聴も、それが幻聴、妄想だと分かるのですが、ちょっと不安だったり、調子が悪かったりすると、
その妄想、幻聴を本当の事だと思ってしまいます。
姉と話しが出来る時には、姉はそれは妄想、それは幻聴とキッパリと言ってくれるので、それが妄想、幻聴だと言う事が分かるのですが、一人で外出してしてみたり、遠出をしてみたりする時には、それが妄想、幻聴だと認識できずにいる時があるので、なるたけ外に出ないようにしています。
僕は就労支援事業所に月曜日から金曜日まで通所しているのですが、事業所に通っている分には、作業に集中しているので、結構まともにやり過ごせています。
それでもやはりドアが大きな音で閉まったりすると、自分が何かしでかしてしまったかな、とか思ってしまいます。
それが統合失調症なのだけれど、やるせないです。
『素晴らしいと思う時』
コーヒーが飲みたくなって、コメダのコーヒーにおひとりさまで、来店した。
アイスコーヒーとシロノワールを頼んだ。
店員は手早く注文を取ると、厨房に帰って行った。
店員は厨房に向かって何やら無言でsignを送っていた。
そんな高等技術をコメダの新人研修ではやっているのか!?
コメダだけのsignというものが存在するのだろうか。
僕は非日常に迷い込んでしまった。
日常における癒しを求めて入ったコメダだったのに、僕の頭の中には妄想で一杯だった。
店員が厨房にまたsignを送り、僕の注文したアイスコーヒーとシロノワールを僕の席に運んできた。
シロノワール、美味しい。
コメダのアイスコーヒー、量が多くて嬉しい。
僕は店員を呼んだ。
店員がやって来たので、僕は店員に言った。
「とても美味しかったです。お礼を言いたいので、店長を呼んでいただけますか?」
店員は、僕の言葉を聞くと、ペコリとお辞儀をして、厨房へと消えて行った。
店長がやって来た。
コック帽に真っ白なユニフォームを着ている店長は素晴らしくカッコよく見えた。
「あの、とても美味しかったです」
「ありがとうございます」
店長はお礼を慎ましく言った。
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
「はい」
僕は先ほどの疑問を店長に聞いてみた。
「注文を厨房に通す時に何か特別なsign
があるんですか?」
「あ、そうじゃないんです」
「え?」
「さっきの彼女は、聾唖なんです]
「聾唖?」
「それでも彼女は立派なうちの店の戦力なんですよ」
店長は笑って言った。
素晴らしいと僕は思った。

