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心が壊れて。

統合失調症になって、一番困った事は、人を疑ってしまう事でした。

それも突拍子も無い理由で。

自分は実は、何か分からないけど(この分からないと言うところが病的なのですが)特殊な人間で、僕の家族は本当の家族じゃなくて、

心を許せるのは、飼い猫だけという感じでした。

心を許せるのが、飼っているペットだけというのは、結構統合失調症じゃなくても、ありがちなようですが・・・。

統合失調症になると、世の中が健常者の人とはまるで違う風に見えるのだと思います。

というか、実際僕から見た世の中は秘密警察だの、特殊任務だの、自分の見ている世の中は偽物なのだとか、そんな事を一日中考えて、凄く疲れます。

それだけじゃなく、それに振り回される家族も大変です。

という事で、統合失調症は面倒臭い病気です。

『心が壊れて』

「今から10分間、訳は聞かないで静かにいてて」と母は幼かった僕に言った。

母は僕を押し入れに追い込んだ。

「何?何があるの?」

母は僕の唇に人差し指を当てて、言った。

「二人だけの秘密のゲームよ」

「ゲーム?」

「さ、押し入れに入って、私がいいっていう迄、隠れてなさい」

母は僕を押し入れに詰め込むと、扉を閉めtて、服を着替え始めた。

母はおめかしをしていた。

と、ドアをノックする音。

「はーい」

母は煌びやかな服と化粧で、玄関に出て行った。

扉の前には男が立っていた。

「おい、用意は出来たのか」

「うん」

ガキはどうした、とドスの利いた声で男が言った。

「あの子は、今遊びに出掛けてるの」

「金は用意できたのか?」

男は母を睨みつけて言った。

母は懐から茶封筒を出して、男に渡した。

男は茶封筒を確認する。

中には一万円札が8枚。

「もうちょっと無いのかよ」

男は戸棚の引き出しに手を掛けた。

引き出しは男によって、放りだされ、中に入っている物は、床に散乱した。

男が次に目を向けたのは、押し入れだった。

男は押し入れの扉に手を掛けた。

母は少しだけ隙間を開けた押し入れの扉の奥から覗く僕の目を見て、目で合図を送った。

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