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僕はデートが、すきゾ!(2)

僕は何に苛立っているのだろう。優作が僕の知らない彼女を好きになったから?それとも、優作が僕の前から離れていこうとする不安から?僕は優作にとって、もう要らない存在なのだろうか?

出て来るのは、疑問符付きの考えばかり。僕はずっと恋愛とは無縁だった。高校生活でも僕は優作としか、関わってなかったように思う。一つ年下の同級生らが、男女で色めき立っている様子を見ても、何とも思わなかった。優作は多分、古賀さんの事が好きなんだと思う。だから、何だ。そんなの当たり前の事じゃないか。男と女、二人そろえば、恋愛に発展する事なんて、目に見えてる。

僕は今まで、そんな出会いが無かっただけで、もし僕にも僕にも優作と同じ環境が出来たなら、僕にも可愛い恋人が出来てたんじゃないか?また、疑問符だ。

そんな事が一瞬にして僕の頭の中を駆け巡った。

店から出て行く僕を優作は追い駆けて来ない。

当たり前か、僕と優作は恋人でも何でもないのだから。

「ちょっと待ってください」

店の自動ドアから出て行く僕に声を掛ける男性の声がした。

「お客さま、お会計がまだお済ではありません」

優作ではなかった。

僕の背中から声を掛けたのは、店員の男性、

多分年の頃はバイトリーダーと思わせるようなキリリとした顔つきの男だった。

僕は振り向くと、すみませんと店員に謝った。

と、優作と古賀朝子が、レジ前に来て、僕の割り勘の2000円と自分達の飲食代を店員に支払った。

「ありがとうございました」

店員はレジを打つと、優作にお釣りとレシートを手渡した。

「なあ、宏人」

僕は振り返る余裕も無かった。

優作の心は、今、古賀さんの方を向いている。

古賀さんの心に向かっている。

僕は古賀さんの事が、嫌いなのではなく、

僕が認める恋人を優作が作るならば、自分はそれに勝手に祝福するんだ、自分勝手な思い込みに浸っているだけじゃないのか?

「武田さーん」

古賀さんも僕に呼びかける。

だけど、僕は二人に背を向けて、トボトボと歩いて行く。

一人ボッチな気持ちを背中に背負いながら、僕は歩いて行った。

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