統合失調症の当事者の方のブログを読みましたが、とても感銘を受けました。
ブログには「自分はもっと頑張らなければいけない」ともっと、もっとと自分を追い詰めてしまうというような事が書かれてありました。
僕は作業所の施設外作業の駅の清掃が、嫌で嫌で仕方がない時期がずっとあって、その理由を考えていました。
初めは車の席順。これはビジネスマナーの本なぞを読んでしまったからでした。
この問題は作業所のメンバー同士に上下関係は無いから、どの席に座ってもいいという事で解決しました。
次に掃除道具の運び順。これは誰が重い荷物を運ぶかとか、これも要らない事を考えてしまっての事でした。
これは、自分が持ちたい掃除道具を持っていくという事で解決しました。
次に掃除区域を決める時だったのですが、
僕は一番掃除区域が広くて階段などの上り下りがキツイ東階段を自ら選択して担当しました。
毎回どうしてその区域を選んでしまうか謎だったのですが、
冒頭で話した「もっと自分は頑張らなきゃ」という東階段の呪縛に囚われていたのだと思います。
僕は週一回しか駅の清掃は、やっていないのですが
他の日の東階段の担当を職員さんに聞いてみると、どの日も結構ベテランの方が担当していました。
それを聞いて、僕はこう思いました。
「あんなベテランの人が担当している掃除区域なのだから、僕が完璧に出来なくて当たり前だ」
という思いでした。
そう思う事で、東階段を今までのように、嫌だなーと思わず、出来るようになりました。
『追われるように働く。』
「これ、もっと新しいの無いの?」
ガラス越しの細身の女性が恵子に向かって言った。
「すいません!ここにある分は、もう並べてある分だけなんですよ」
「じゃあ、割引とかしてくれないの?」
ゴムの前掛けを掛けた恵子は困ってしまった。
「値引きは夕方の5時からなんです。すいません」
「あー、そう。じゃあ要らないわ」
「待って下さい!」
恵子は女性が持った肉のパックを女性から
取り上げ、値引きシールを張った。
「これで、レジに持って行って下さい」
「ありがとう」
「ありがとうございます!」
気付くと、店長が隣で一緒に女性にお辞儀をしていた。
お客がレジに行くところまで、見届ける恵子と店長、恵子が頭を上げると、店長は不機嫌な顔をしていた。
「岡谷さん、今、勝手に値引きのシール、貼ったよね」
「あ、はい」
「あんまり勝手な事してたら、辞めてもらうよ、いい?」
「すみません!」
恵子はそう言って頭を下げた。
自転車を立ち漕ぎで走らせる恵子。
「もっと頑張らなきゃ、もっと、もっと!」
恵子は三つ掛け持ちの最後のスーパーのアルバイトを終えて、急いで自分のアパートに向かった。
「ただいま!」
アパートの家の中は、電気も点いておらず、
部屋の中に恵子は膝から崩れるように座った。
「私、何の為に頑張ってるんだろう・・・」
恵子には自分が今、どうして懸命に働いているのか、分からなかった。

