作業所に今度、地域の中学生が体験実習にやって来ます。
僕はもう年齢的には結構いい大人なのに、
実習に来る中学生の皆さん達とどう接したらいいのか、迷ってしまいます。
以前、コロナが蔓延している世の中になる前に小・中校と一緒だった友達と飲みに行った事がありました。
一緒に飲んだ二人とも結婚していて、もういいパパさんでした。
その時に、僕は当時僕が働いていた飲食店のカレーパンをお土産に持っていきました。
友人の一人は、家の中に一旦引っ込み、
どうしたかと思えば、家の中から友人の子供さんがぞろぞろ三人出て来て、
頭を目一杯に下げて、カレーパンのお礼を言ってくれました。
いい大人なのに、子供慣れしていなくて、
僕はその子らに敬語で挨拶をしていました。
今度来る中学生の皆さんが体験実習に来る事に対して不安しかないです(笑)。
『中学生から見たら、僕も立派な大人』
今日から僕の出身中学で教育実習が始まった。
「き、緊張したー・・・」
と、緊張する僕の横で、僕の当時の担任がこう言った。
「俺も教育実習、ここでやったんだ」
「えー、担任もですかー!」
僕と担任は廊下で話しをしながら、歩いていた。
僕と担任の前を通る生徒が会釈して行った。
僕は顔を真っ赤にして、会釈を返した。
すると担任は頭を掻きながら、そう言った。
「リラックス、リラックス」
担任は僕の肩を強い力で揉んだ。
「イタタタ、担任!痛い!」
「そんなに怒るなよ。緊張させまいと思っただけだよ」
そう言って担任は頭をまた掻いた。
担任が頭を掻くのは、どうやら癖らしい。
「俺も教育実習の時の事、思い出すよ。俺が中学の時、教育実習の先生が、無茶苦茶大人に見えたもんだよ。だけど、いざ自分が実習で教育実習をやってみたら、情けないもんだよ」
「僕も今そうです」
「だけどな、それは違うんだよ」
「違うって?何がですか?」
「もしかしたらあの時の先生も、こうやって緊張してたのかなって思ってさ」
僕と同じだ。
「先生」
振り返ると僕の背後に1人の少女がいた。
「君は学級委員のえーと・・」
「角谷美咲です」
「ああ、角谷さん、どうしたの?」
「先生がこれ忘れて行ったから。届けようと思って」
それは教育実習生の日誌だった。
「ありがとう」
美咲は頭を下げると、
「失礼します。先生」と言って、駆けて行った。
「頑張れよ!せ・ん・せい!」
と、担任は僕の尻を叩いた。
「は、はい!」
僕は思わず委縮してしまった。

