エナジーヴァンパイアという言葉がある。
人からやる気やエネルギーを奪う人の事を言うそうです。
それも、人からエネルギーを奪えば奪う程、エナジーヴァンパイアは元気になっていくと言います。
スピリチュアルとしての概念です。
姉は僕に言いました。
「あんたはエナジーヴァンパイアだから」と。
僕は今まで数々のアルバイトをしてきました。
そして、そのアルバイトの数々では、僕が退職した後、
すぐにそのアルバイト先は、潰れて閉店してしまうのです。
恐るべしエナジーヴァンパイア!。
しかし、母に言わせると「あんたぐらいの能力の人しか雇えなかった会社だから、すぐ潰れるんだよ」と言われました。
所詮、僕はその程度の人間なんです。
『エナジーヴァンパイア』
青森の冬は、寒く厳しい。
吹雪、風は強い。
夏には冷房危惧に金を掛けないが、冬には、
高価なエアコンにヒーターを置く。
冬は我を不動の者にさせる。
冬の雪解けはまだ遠い。
冬は始まったばかりだ。
我は、布団に一日中入って、暖を取る。
「外はふぶいてるよ」
我は、弘前の年金暮らしの父に電話を掛ける。
「ちゃんと食べてるか?調子はどうだ」
我の事を八十過ぎた老いた父が言う。
母は、養老院で暮らしている。
父も母と一緒に暮らせばいいものを、断固として受け入れないのが父だ。
母も一人では寂しいだろうに。
我は、老いた父に、幼子のように今でも心配され、いつ迄も、自分は父の息子だと認識する。
長い冬をどうやって越そう。
どうやって通り過ごそうか。
青森の冬は我の生気を奪い取る。
老いた父の生気も吸い取っていく。
だけども、我にはどうする事も出来ない。
この降る雪を、止ませる事は出来ない。
我は、父の背中が段々と小さくなっていく事を只、じっと見守り、見つめ続ける事しか出来ない。
青森の冬は長く、厳しい。