作家になるには、資格は要らないという事をコンクールの応募要項の応募資格の欄でよく見かけます。
資格が要らないなら簡単じゃん!、そう思ってコンクールに作品を応募し始めた昔の事の頃をふと思い出しました。
あの頃は本気でそんな事を信じていた20代でした。
だけども、物語を書くのは創作と言っても、その創作物はリアリティーが無ければ、只のお話になってしまいます。
物語にリアリティーを出すには、物を知らなければいけないのでしょう。
知識が無ければ、物を知らない只の空想好きの人が書いた空想物語になってしまいます。
資格が要らないというのは、取得した資格以上に、膨大な知識が要るのです。
それに気づいた時から、僕の創作力は、グンと上がったような気がします。
学が無かった僕は、気付くまでに相当な時間が掛かってしまいました。
習作は毎日書いているので、そんなに調べものをして書いている訳ではありません。
これからは調べもの込みで習作も書く為の研究としてやってみたいです。
『資格を得る為には』
開成中学校、廊下には令和4年度入学試験面接会場と書かれたボードがさがっていた。
「TOEIC600点以上って・・・、この点数は本当に君が取ったの?君は、ホントに12歳だよね?」
面接官は聡に聞いた。
「いいえ!正確に言えば、僕はTOEICのテストを受けた事などはありません」
聡は歯切れよく、そして自信満々で答えた。
「そうだよねー、いくらIQが高いと言っても、まだ小学生だもんね」
と、聡は面接官に流暢な英語で答えた。
「(ネイティブな英語で)僕には資格という物 がある訳ではありません。でも、それ相当の知識は持っているつもりです」
面接官が思わず感嘆の声を漏らした。
「す、素晴らしい!」
三人の面接官らは、スタンディングオーベーションで聡を称えた。
四人目の面接官が席に座ったまま、ギロリと
した目で、聡に聞いた。
「君のご両親は、今日はどうしたの?親子で受ける事はこの面接を受ける資格だったよね」
「親は関係ありません!。僕の能力を!僕を見て下さい!」
「と言ってもねー」
他の三人も我に返って、席に座った。
「君、不合格!」
聡は椅子から崩れ落ち、声を挙げて大泣きに
泣き始めた。
「うえーーん!僕を・・僕を、見て下さいー」
「駄目、君は不合格」
それを聞いて、聡はもっともっと大きな声で
泣き叫んだ。
「あーあ、泣かしちゃった」
面接官はため息を吐いた。
聡の泣き声は、廊下まで響いていた。

