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鏡の中のニヤケ顔。

僕は20代初めの頃から、テレビドラマの脚本を勉強していました。

ちょうどそれから統合失調症を疾病しました。

それでも、僕は闘病中も脚本の勉強を続けていました。

その間も、脚本を書き続けていました。

今、振り返るとその当時の脚本の内容と言えば、支離滅裂で自分ではしっかりと書けていると思っていた作品も、今思い返せば全くなっていなかったように思います。

だけれども、闘病中も脚本を勉強していた僕には、ある一点の利点がありました。

それは、脚本が自分の心を映し出す鏡になっていた事です。

自分の心の状態を見つめるには、とてもいい道具になっていたのです。

しかし、そんな使い方をした脚本が、世間にいい評価を貰えるわけも無く、そこから自分の作家性と作家としての視点を探し求めるようになりました。

そして回り回って今、僕は統合失調症を才能と捉える心に辿り着き、小説を書き始めています。

『鏡の中のニヤケ顔』

僕は鏡を見た。

鏡の中には、だらしのない顔をした僕が映っていた。

僕の顔は傷だらけだった。

だけど、僕はニヤケ顔。

初めての喧嘩。

まだ仲直りはしていないけど、清々しい敗北。

会社の同僚の女の子と、スマホでLINEをしながら、パソコンで彼女と同時にLINE通話をしていたのが、バレたのだった。

どうしてバレたのか?

それは彼女がビデオ通話中に、鼻の穴を広げて、白目になったのに、僕が同僚の女の子とのチャットに夢中で、反応しなかったからだ。

他の女と、私に隠れて何喋っとんねんと、ギャギャッと爪を立てられた。

まるで漫画原作の映画のコメディのよう。

僕と彼女の喧嘩で金が稼げれば、大したもんだが、実現不可能なドラマだろう。

だけども、これがドラマでなくてよかった。

僕と彼女の関係は、やはりドラマや映画じゃ語れない。

喧嘩しながらも、楽しみながら、彼女とは付き合わせてもらっている。

僕のタイセツな彼女。

他には居ない存在。

彼女はテレ朝系犯罪捜査ドラマが好き。

僕は韓ドラ好き。

どちらも干渉はしない。

それが二人の決めたわけじゃない二人のちょっとした決め事の一つ。

この顔の傷は二人の勲章。

こんな昭和な言い方も、二人のちょっとした口癖。

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