金曜日の午前中、僕はデイケアにいた。
いつ来ても、笑顔で迎えてくれる女性看護士さんには、僕はいつも癒されていた。
僕がテーブルに面して座り、デイケアで用意してくれている紅茶を飲んでいると、女性看護士が僕にそっと寄り添って来て、僕の顔を覗き込んだ。
「その顔は恋愛に上手く行ってない様子の顔だね」
女性看護士は、僕の前の椅子に座り、頬
杖を突いた。僕はその時、どんな表情を
していたのだろうか?.きっとどんより
したオーラを纏っていたのだろう。
「この前の子のことでしょう」女性看護
士は、興味津々に聞いて来た。
―放っといてくれよ~。僕は内心、そう思って、テーブルに顔を突っ伏した。
「えー、もしかして振られちゃったの?」
女性看護士は言った。僕はうつ伏せになりながら、首を左右に振った。
「明日、会うんだ」僕はボソリと呟いた。
えー、やったじゃない!と女性看護師は僕の背中を叩き、言った。
「憂鬱だ」と僕は顔を挙げて言った。
「どうして?デートでしょ?デート」、女性看護士は自分の事のように、嬉しそうに言った。僕が黙っていると、女性看護士は、「武田さん、もしかして熱しやすくて、冷めるの早いタイプ?」と僕の分析に掛かっていた。
僕は無言で、一人ため息を吐いた。
「大丈夫よ、武田さん、優しいし、よくよく見れば、満更でも無い顔してるし、
服とかもっとオシャレなTシャツとか、着れば、きっとイケメンで通るんじゃない?」女性看護士は僕に対していつも優しい。只、僕が悩んでいる悩みには、乗ってくれそうも無かったが。
「私、今日午前で上がるから、その後、服買いに行かない?私が選んであげる」
女性看護士の言葉は、嬉しかったが、明日の事を考えると、素直には喜べなかった。

