昨日の夜は不思議な夢を見た。僕がツイードのスーツを着た多くの男達に囲まれて、椅子に座らされて、机の上にはノートパソコン一台、僕は執筆活動に追われていた。
その男達は、僕の周りで喚き立てる。
何を言っているのか、僕がこれから書く文章の内容を事細かく言っているのか。
僕はその言葉を、一字一句間違えることなくタイプをする。
僕はタイピングの腕だけは、速くなっていく。
神が天から降りてきて、想像のインスピレーションを人は、表現者は与えられ、物語を書く事が出来るのだと、人は言った。
僕は神ではなく、僕の周りで僕を拘束する男達の声を只、そのままに書き連ねる。
僕は偽物だ。本物の作家ならば、その脳は烈火の如く閃き、すぐさま浮かんだ素晴らしいイメージを具現化出来るだろう。
そんな事を夢見ながら、僕は今日も駄文を書き続ける。僕は本物にはなれない。なれて客寄せパンダがいいところだ。客寄せパンダは自分の意志で文章を書かない。書けない。
だから僕は今日も男達の言葉を書き連ねるだけ。
こんな毎日がこれからもずっと続くのだろうか。
と、僕はハッと目覚めた。
全部、夢だった。

