男は鏡を見ていた。男は自分の顔を見て、こう思った。
「美しい」
男は自分の事をナルシストだとは思っていなかった。男の美しさは自他共に認めるものだったからだ。
しかし、彼には秘密があった。そして彼の秘密を彼女は今、知る事になるのだったが。
・―――・―――・―――
彼の携帯に連絡を入れても、一度も返信が無い。彼女は彼にイラついていた。彼女は彼の全てを手にしたかった。彼女は独占欲の塊だった。沼にハマってしまっていた。
彼の全てを知りたい、彼の好きな女性のタイプは?そして彼の好きな性癖は?彼の隠された好みの全てを知りたかった。
彼女は思った。私が彼を変えてみせると。
彼女は自分に誇りを持っていた。彼を愛しているという自分自身に。
それは本物の愛情だろうとそうでなかろうと構わずに。
・ーーー・ーーー・ーーー
お節介だ、男は何もかも投げ出したくなる程、毎日の日常に飽き飽きしていた。
彼女でさえも、その日常を変える事は出来なかった。
彼女は男のマンションへ急いでいた。
彼に連絡を取りたかったが、取れずにいて、男の部屋を訪ねたのだ。
彼女は男の家のドアの鍵を開けた。
「――――!」
彼女は男の名を呼び、部屋に上がり込んだ。
彼女は男の寝室のドアを開けた。
「!!」
彼女は見てしまった。
美しい長い黒髪で、ピンクのルージュ、そしてピンクの可愛いショーツを纏った男の姿を。
男はまごつき言った。
「いや、こここ、これは違うんだ」
彼女は男に一言言った。
「可愛い」
男と彼女の非日常の恋が再び始まった。

